- 2009年9月24日 11:59
ツイッターで知ったのだが、国立・邪宗門のマスターがお亡くなりになり、お店も閉店することになった。
邪宗門は、私にとっては多感な(?)学生時代を過ごさせていただいた想い出の店で、ここで仲の良い友人たちとまったりした時間を過ごしながら、コーヒーや、煙草や、そのほかいろいろとほろ苦い味を覚えた。
生意気な盛りだったので、中央線界隈の喫茶店にはいろいろと出入りしたが、邪宗門のマスターに入れていただくコーヒーは、絶品だった。
今ではもう古いかもしれない、ストレートコーヒーを銘柄で注文するというスタイルを教えていただいたのも、ここだ。マンデリンやガテマラといった、当時は古代宗教の呪文のように聞こえた神秘的な名を唱えてマスターがコーヒーを落とすのを待つ、私たちには至福のひと時だった。
当時はまだ中央線に文化の香りが残っていた。
少し上の先輩たち、荒井由実や、忌野清志郎や、仲井戸麗市や、小室哲也が、八王子や、日野から中央線に乗って都心に通っていた。ジャズ喫茶やライブハウスがあふれ、古書店には難しい原書が積まれ、新宿から文化人たちが落ち延びてきた。
そんな空気の中で、僕たちは邪宗門の薄暗い、ひんやりとした店内に佇んで、息をついていた。
そこにいけば、いつでもマスターのコーヒーが飲めた。
自分自身が俗世に染まってすっかり変わってしまっても、邪宗門のドアを潜ればあの懐かしい時間に戻れるような気がしていた。
そこに、あのときの自分が今でもいるような気がしていた。
だが、変わらないものなどない。
ありがとう、マスター。
ほんとうに...
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