- 2004年5月26日 19:12
その苔の庭を造るために、京都から土まで運んだそうです。
東京・成城の、故・猪俣猛氏邸です。
先日の世田谷・お屋敷/庭園ランの際に訪れました。
成城の高級住宅街の一角にある600坪近い敷地の中に、数寄屋造りの邸宅、杉苔を配した庭園、そして茶室が佇んでいます。
猪俣氏のご遺族が世田谷区に寄贈し、それを世田谷トラスト協会が管理、公開しています。瀬田4丁目広場の旧小坂家邸宅と同じ運営方法ですね。
どちらも、貴重な住環境を文化財として保存しようという試みです。
私たちも、観光スポットとしてではなく、地域の文化資産として接する必要があります。
冒頭の写真でご紹介した杉苔ですが、気候風土の違いで関東ではなかなか育ちません。
しかし、猪俣邸は"茶"をテーマに造られたお屋敷で、茶人であり、風流人であった猪俣氏としてはどうしてもその杉苔を庭の中心に据えたかったのでしょう、なんと京都から土ごと苔を移植されたそうです。
私はこの庭園が好きで毎年訪れていますが、苔はとてもデリケートな様で、年によって色艶が全く異なります。
苔の庭とは光悦垣を挟んで、茶室があります。
このお屋敷には2つの茶室があり、またそもそも門を入ってすぐに待合いがあるなど、屋敷全体を茶の空間として捉え、造られています。
建築家は故・吉田五十八氏。
五十八氏は、岸信介元総理邸、五島美術館、銀座の料亭『吉兆』など、数寄屋建築の第一人者です。
茶空間としての猪俣邸の面白さは、改めてご紹介いたしましょう。
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